こんにちは、蝶まめです。
今回紹介するのは…
読書天気:雨☂️→晴れ⛅
風を防げば、舞い上がる炎は抑えられる
ファイア・ドーム/辻村深月
あまりに話題なので、我慢できずに購入した作品。
そう、噂の話です。私は噂に負けて流されたんです。
「自分の言葉の重さ」について考えさせられた作品であり、その重さを知って欲しいからこそ読んで欲しいと思う作品です。
こんな人におすすめ
- SNSやネット社会の怖さについて考えてみたい人
- 噂や誹謗中傷が人に与える影響を描いた作品を読みたい人
- 犯人当てだけで終わらないミステリーが好きな人
- 「人はなぜ噂を信じ、広めてしまうのか」というテーマに興味がある人
- 重いテーマでも、最後に小さな希望を感じられる物語を読みたい人
あらすじ
人はなぜ大きな事件に魅了されてしまうのか。
噂は、軽薄な娯楽だ。
25年前、平穏だったはずの地方都市は、百貨店受付嬢誘拐殺人事件の発生、その報道により揺り動かされ、「噂」という大量の炎が、加害者のみならず被害者にも降り注ぎ、燃えさかった。ようやく静けさを取り戻したかに見える町に燻り続ける因縁が、いま新たな事件を呼び起こす――。
「もう言われてるよ! どうせ、親が殺したんだろうって!」――本文より引用:Amazon
感想
ミステリーとして紹介されることも多いようですが、一番心に残ったのは、事件の真相ではなく、「噂」という存在でした。
揺らされると雪が舞い上がり、やがて静かに降り積もるスノードーム。
揺らされる度に同じことを繰り返します。
『ファイア・ドーム』の「炎」も同じ。
一度広まった噂は、炎のように燃え広がり、鎮火したように見えても火種は残る。
きっかけがあれば、再び燃え上がる。
タイトルからは、そんな「噂の怖さ」を感じられます。
あまりにも「噂」の本質が怖く、私は何度か本を閉じてしまいました。
「決して他人事じゃない」と思ってしまったから。
SNSを開けば、事件や事故、芸能人のスキャンダルなど、真偽がはっきりしないまま多くの言葉が飛び交う世の中。
その一つひとつが、誰かを傷つける炎になってしまうことは現実にあるわけで。
だから、この作品は苦しかったのだと思います。
もちろん、ミステリーとしても面白く読みましたよ。
途中、裏読みして予想が大外れしたり、リアルな描写に苦しくなったりしながらも、「風避けになった人」の存在があり、現実と共に温かさも感じした作品でした。
噂の炎は、きっとなくならない。
一度消えたように見えても、また燃え上がるものです。
噂を完全に止めることはできなくても、誰かを守ろうとする人がいる。
その姿が、静かな温かさを残してくれたのかもしれません。
まとめ
「ファイア・ドーム」は、噂や誹謗中傷の恐ろしさと向き合う物語であり、人の温かさを知る作品でもありました。
SNSが当たり前になった今だからこそ、一人でも多くの人に読んでほしい。
「話題だから」ではなく、「自分の言葉が誰かにどう届くのか」を真剣に考えてみたいと思う人にこそ、手に取ってほしい一冊です。

