どうも~蝶まめです。
読書の秋ですね。今年はしっかり楽しんでいます。
今回は直木賞を受賞した一穂ミチさんの『ツミデミック』を開きます。
手に取った理由
タイトルと赤い表紙が印象的。
「ツミデミック」はパンデミックとかけた造語だろうとは思いつつ「ツミ」が何か気になったんですよね。
表紙が赤×菊の花なのも意味があるだろうと。
書店で見かけた後すぐ直木賞ノミネートが発表されたので慌てて図書館の貸出予約をしました。
もう少し遅れてたら半年、一年待ちだったと思います。
何せ後ろに20人待ちですから(笑)
あらすじ
大学を中退し、夜の街で客引きのバイトをしている優斗。ある日、バイト中に話しかけてきた女は、中学時代に死んだはずの同級生の名を名乗った。過去の記憶と目の前の女の話に戸惑う優斗は――「違う羽の鳥」
調理師の職を失った恭一は、家に籠もりがち。ある日、小一の息子・隼が遊びから帰ってくると、聖徳太子の描かれた旧一万円札を持っていた。近隣に住む老人からもらったという。翌日、恭一は得意の澄まし汁を作って老人宅を訪れると――「特別縁故者」
渦中の人間の有様を描き取った、心震える全6話。
早速、読んでみたいと思った方はこちら↓
感想と読了感
読了感は良かったです。
短編集で共通点は私たちも経験したあのパンデミックを過ぎた今を舞台としていることだけ。
人物も場所も何もかも違います。
ゾッとする話の間に、ほっこりする話が入ることで「ツミデミック」という一冊になったとき、重すぎず軽すぎずの程よいバランスが取れるのだと感じました。
パンデミックを境に…という描写はあるものの、あのパンデミックがなくても起こりうる話。
「ツミデミック」というタイトルについて、最初は「パンデミック期間の罪」と考えてましたが、読了後、思ったのは「罪がパンデミックする」方なんだな…と。
つまりは作中の出来事は、あのパンデミックが過ぎた今、そしてこれからも起こりうることであり、昔から起こっていたことなのかもしれません。
「ツミ」も「罪」と「詰み」、どちらにも取れるので、正解もないでしょう。
とにかく深い。
関連作品
一穂ミチさんといえば私のなかでは「光のとこにいてね」が印象的。
光の「ところ」ではなく「とこ」っていうのがまたいいです。
タイトルに深いこだわりを感じますよね。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
次回もお楽しみに♪