「幸せとは、――すること。あなたは、この空欄を埋められますか?
今回紹介するのは、住野よるさんの『また、同じ夢を見ていた』です。
ちょっぴりおませな小学生の女の子、奈ノ花(なのか)。彼女の視点を通して描かれるのは、不思議で、切なくて、そして最高に温かい「幸せ」をめぐる物語です。
1. 奈ノ花と、3人の不思議な「友達」
学校に馴染めず、クラスメイトから浮いてしまっている奈ノ花には、それぞれに事情を抱えた少し「不思議な出会い」があります。
- 手首に傷がある、賢くて優しい「南さん」(高校生)
- 季節外れのひまわりを育てる、お料理上手な「アバズレさん」(大人の女性)
- 丘の上の家で静かに暮らす、品のある「おばあちゃん」
年齢も境遇もバラバラな彼女たちとの交流を通じて、奈ノ花は学校では教えてくれない「人生の大切なこと」を学んでいきます。
2. 住野よる流、心を揺さぶる「比喩表現」
この本の大きな魅力は、奈ノ花の独特な口癖です。
「人生とは、〜みたいなものよ」という、小学生とは思えないのに、どこか腑に落ちる比喩表現がいたるところに散りばめられています。
最初は少し生意気に見える奈ノ花ですが、「幸せとは何か」を真っ直ぐに考え続ける姿に、自分の考えの曖昧さにハッとさせられます。
3. パズルのピースが繋がる、驚きの結末
物語が進むにつれて、3人の友達との会話の中に少しずつ違和感や「ヒント」が混ざり始めます。
「なぜ彼女たちは、そこにいるのか?」
「なぜ奈ノ花と出会ったのか?」
そのすべての謎が解ける終盤、タイトルの意味を知った瞬間の鳥肌は忘れられません。
バラバラだったピースが一つの絵になるような、美しくも鮮やかな伏線回収を楽しんでください。
まとめ:こんな人におすすめ!
- 「自分にとっての幸せ」を改めて考えたい人
- 最後の一行で、あっと驚くような感動を味わいたい人
- 学校や職場などの人間関係に、少し息苦しさを感じている人
読み終えたとき、あなたはきっと自分のことを、そして周りの人のことを、今よりもっと大切にしたくなるはずです。
「人生とは、素晴らしい物語を読み終えるようなものよ」
――そんな読後感を、ぜひ味わってみてください。
読書を始めたい人への最初の1冊にもおすすめしています。
「ピースを集め、パズルを完成させるような楽しみ」を、物語を読む世界の中でも感じられたなら、きっと本を好きになれますよ。


