こんにちは、蝶まめです。
お昼の番組で早くも「梅雨」というワードが聞こえました。
春になったと思ったら梅雨ですか…。
ラニーニャという話もあるし、年々厳しくなる暑さ寒さの急激な季節感が怖い!!
それはさておき、今回紹介する本は
逢坂冬馬さん著「同志少女よ、敵を撃て」
本屋大賞やアガサ・クリスティー大賞などタイトルを聞くことが非常に多かった作品ですね。
私も話題だった当時に読んだのですが、心境としてはなかなか複雑でした。
もちろん高評価なのですが、世界情勢が悪化している時なので第三者目線で読めないというか…。←著者の意図にハマったやつ
最後までチェックすると、まだ読んでいないあなたも読んでみよう!!と思うはずです。
「同志少女よ、敵を撃て」あらすじ
独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は、突如として奪われた。急襲したドイツ軍によって、母親のエカチェリーナほか村人たちが惨殺されたのだ。自らも射殺される寸前、セラフィマは赤軍の女性兵士イリーナに救われる。「戦いたいか、死にたいか」――そう問われた彼女は、イリーナが教官を務める訓練学校で一流の狙撃兵になることを決意する。母を撃ったドイツ人狙撃手と、母の遺体を焼き払ったイリーナに復讐するために。同じ境遇で家族を喪い、戦うことを選んだ女性狙撃兵たちとともに訓練を重ねたセラフィマは、やがて独ソ戦の決定的な転換点となるスターリングラードの前線へと向かう。おびただしい死の果てに、彼女が目にした“真の敵”とは?
引用:Amazon販売サイトより
「同志少女よ、敵を撃て」の感想
セリフはもちろん、心情の表現、緊迫感、想像する情景まですべての迫力が違う。
戦争とか復讐とか楽しむべき話ではない分、今だからこそ読むべきかも。
セラフィマはもともと銃を扱うことができで、ただの一般人よりは狙撃手に近かったし、後に仲間として戦う同志たちも同じく。
それでも命がけの戦場では何もかもが違い、普通の生活の中の経験なんて何の役にも立たないことまであって…。
辛いこと、苦しいことを乗り越えながらただ一つの目的のために進む姿に胸が熱くなります。
そしてどんどん変わっていく…。
決していい意味ではないけれど、悪い意味とも言い切れない変化が苦しい…。
セラフィマの最後の決断・行動に本当に後悔はなかったのかな。
見てきたことがどれだけ許せなかったか…だよね。
「同志少女よ、敵を撃て」のストーリーや設定はフィクションです。
しかし、実際に第二次世界大戦中、旧ソ連軍には女性兵士も多く、狙撃手は人気でもあったとのこと。
「同志少女よ、敵を撃て」は独ソ連戦で戦った女性狙撃兵目線で、当時を追体験するような感覚になります。
著者の逢坂冬馬さんも執筆する中で「普通の人たちが殺戮に明け暮れるようになる過程を追体験する作業だった」引用:東京新聞webと語っています。
そうか…。
特別ではなく元は普通の人だからこその思いを感じるんだ…
戦場という暗い舞台で殺し合う話ですから、描写は決してきれいとは言えません。
しかし気分が悪くなるほどリアルでグロテスクな表現はないので、大体の方は問題なく読めると思いますが、感受性が人一倍高いと自負している方は少し注意かも…
逢坂冬馬さんの他の作品
歌われなかった海賊へ
2023年に発行された新作です。
「同志少女よ、敵を撃て」が良かったから…というのもありますが、世界の暗い歴史についてもっと目を向けるべきかも…と思うようになったので、読んでみようと思います。
まとめ:世界よ平和であれ…
「同志少女よ、敵を撃て」を読む前から平和を願う気持ちは変わりません。
どんな目的があるにせよ、命を奪い合う必要はあるの?と…。
暴力で訴えれば復讐心が生まれ、復讐心は新たな復讐心を生む…。
第二次世界大戦で多くの国は痛みを感じながら、それを心に秘めつつ抑えてきたはず…。
復讐心を語り続けるより、平和への願いを語り続けてほしい…。
でもそれができないのが人間なのでしょうか。
「同志少女よ、敵を撃て」は長編ですが、ぜひ読んでみてください。
Audibleで聴くこともできますが、これは文字で読むのがおすすめですね。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
次回もお楽しみに。