こんにちは、蝶まめです。
手元に未読の図書館本がなく、不安な日々を過ごしています(笑)
手持ちの積読本を開くけど、読むのは今じゃないな…と閉じてしまった今日。

未読でも再読でも気分にハマらないと読めないことが多いのは、読書家あるあるですかね?
今回紹介するのは…
平野啓一郎さん著:「ある男」
映画化された時にタイトルは聞いたことがあったのですが、著者が平野啓一郎さんということは読むと決めた時に知りました。

「日蝕」は良かったですが、難読で苦労したので一瞬怯んだのは内緒
最後までお読みいただければ、きっと「ある男」の原作と映画を比べてみたくなりますよ。
「ある男」のあらすじ
離婚し息子と共に故郷に帰った里枝は、実家である文具店に画材を買いにやってくるようになった谷口大祐と親しくなり、やがて再婚する。
娘も生まれ数年は母親を含む5人で幸せに暮らしていたが、大祐が仕事中の事故で急逝してしまう。
やっと落ち着きを取り戻してきた頃、ずっと疎遠として一度も会ったことのなかった大祐の兄・恭一が法要に訪れ大祐の遺影がないことに疑問を投げる。
夫・大祐の遺影は確かに目の前にあるのに…。
ずっと「谷口大祐」と思っていた夫は実は「谷口大祐」ではなかった。
離婚する際に世話になった弁護士・城戸に「夫だった男」の身元調査を依頼する。
「私が結婚していたのは一体誰だったの?」
「ある男」の感想。難読?
難読かと問われれば、そこまで難読ではないと思いますね。
ただ、登場人物が結構多く、あまり使われない言い回しや漢字が使用されていることから、スラスラ読めて理解しやすい!とは言えないかもしれません。
内容としてはいろいろな心情が絡み合っていて「この気持ちも、あの気持ちも分かる」と複雑でした。
だって全く別人同士の発言や考えを「分かる!」なんてありえないじゃないですか?
自分の意見や信念があるだろう!?って…。
でも分かってしまうくらい複雑な「人間」というものの感情ですかね。

言う方の気持ちも、言われる方の気持ちも、傍観者でいる気持ちも分かるって感じ
もし、里枝の夫だった人物と同じ環境に育ったら?
名前や戸籍という呪縛に悩まされていたら…。
自分は何も悪くないのに、一括りにされてしまったら…。
周りの立場から見て、似たような括りにある人と偏見なく付き合えるかと言ったら…。
この物語は「谷口大祐」と名乗った男が本当は誰だったのかを突き止める話ではありません。
結果的に誰だったのかは分かりますが、論点はそこじゃない…。
映画との違いはある?
細かい部分での違いは多くありましたが、主にラストが違いました。
原作は全体的にラストがモヤッとした部分があるのですが、映画はそのモヤッとの中に決意?割り切り?
何かしらの光みたいなものを感じる終わりでした。

結局、はっきり描かれないモヤッとは同じですが、捨て置いた感が想像してね感になっていた感じです。
最初は映画のキャストが原作のイメージと合わないと思っていましたが、見ていくうちにハマって行く感覚がありました。
「他人の人生を生きる」ことは確かにできるのでしょうね。
まとめ:「ある男」と自分は何も違わない
名前(戸籍)があるから自分なのか、自分だからこの名前(戸籍)なのか…。
卵が先か鶏が先か…的な話は言葉では簡単に言われることです。
しかし、「ある男」を読んで複雑な感覚を味わいました。
自分のことは自分で分かるかもしれないけど、あの人は本当にAさんなのか…
そんなこと考えないですしね。
状況が変われば考えも対応も変わる…。
何が正しいか、間違っているかなんてわからない…。
答え自体が存在しない問の迷路でしょうか。
ぜひ「ある男」を読んで、それぞれの複雑な胸の内から自分自身を見つめ直してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回もお楽しみに♪