こんにちは、蝶まめです。
私の住む関東地方の梅雨入りは例年より遅いだろうとの予想…。
とはいえ不安定な天候が多く、気分はどんより気味の季節ですね。
今回紹介するお話はちょっと不思議なお話…
長野まゆみさん著の「箪笥のなか」
※表題の漢字表記は「簞笥」なのですが、スマホ等で出にくいこともあってか、「箪笥」と表記されているものが多いので、ここでも「箪笥」としますね。
不思議な話といえば私の中では恒川光太郎さんの「恒川ワールド」なのですが、「箪笥のなか」の世界観やストーリーも、なかなか良かった♪
数年前に読んだものを最近、再読したので紹介しますね。
最後までお読みいただければ「箪笥のなか」を覗きたくなるはず!!
「箪笥のなか」のあらすじ
親戚から譲り受けた赤い箪笥。
ちょっと不思議な感覚を持つ弟と箪笥を譲り受けた私の元に集まってくるものの正体はもしや…。
箪笥の抽斗の中から見つかるものとの関係は?
確かにそこにいるはずなのに…。
現実と幻想の狭間を行き来するような感覚を味わえる連作短編集。
「箪笥のなか」の感想
正直言って結構「混乱」します!!
「あの世とこの世」や「妖」の類の話のように感じるものの決してホラーではなくファンタジー。
私にとって魅力的な設定の世界観なのですが…。
不思議な赤い箪笥と、幼い頃から不思議な感覚が当たり前の中に生きてきた弟、それを見てきた自分…。
他人からすれば「え?」と思うようなことも、「当たり前」のように受け止め流れていくんですよね。
だから少し理解に困って混乱するという感じ。
人によっては、読者置いてきぼり…と感じるかもしれないな…なんて。
少し冷静に整理して想像を織り交ぜれば問題ないんですけどね。
「どう受け止めるかは読み手次第」といった感じでしょうか。
まだ携帯も普及していない時代の話で、古き良き昭和の雰囲気が漂います。
箪笥は来るべくしてここに巡ったものであって、この世のものならざるものが集まるのもまた必然。
なんでもない人の所に渡っていたら起こらなかったかもしれないことだけど、きっとなんでもない人の所に渡ること自体がなかったはず…
そう実感してしまう「何か」を感じますよ。
前回読んだ時から、そう時間は経っていないはずなのですが、感じ方がかなり変わった気がしたので、何度も読みたいな〜と思います。
中古か電子版か…
私は図書館で借りてきて読んでいるのですが、単行本がほしいな…と思っても「絶版につき入手困難」な状態。
状態の良いものを狙うと余計に厳しい…。
文庫もあまり見つからない状態です。
もう少し状態の良いものを探してみようかな?と我慢しているんですが、読みたい時に読めることを考えたら、電子版でも購入するべきかなあ?(悩)
おすすめ本として紹介しておきながら、入手困難なんて言われたら萎えますよね(笑)
電子書籍なんてない時代を感じる話を電子版で…は躊躇いこそあるものの、仕方がないことなのかな。
もし手に入れば紙の本で、手に入らなくても、ぜひ電子版で「簞笥のなか」の世界観に触れてみてください。
まとめ:この世のものならざるもの
先にも書きましたが、「簞笥のなか」はホラーではありません。
ちょっぴり怖い部分もあるかもしれないけど、完全にファンタジーです。
この世のものならざるものが集まる理由は簞笥なのか、どうしてその簞笥が不思議な簞笥になったのか…
読みながら想像していくと面白いですよ。
そして「もしやあの時のあの人も?」「もしや全てが幻想!?」なんて思うところも…。
どこまでが現実かわからなくなるかも(笑)
また何度も読みたくなるような不思議なお話に出会ったら紹介しますね。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
次回もお楽しみに♪