こんにちは♪ローズマリーです。
私は、いつも暗く重いテーマの映画ばかり観ている気がするんですが(笑)
今回紹介するのは
関心領域
2024年5月24日に公開されたばかりの映画を観てきました。
ホロコーストをテーマにした異色の映画。
アウシュヴィッツ強制収容所の壁を隔てた隣に建つプール付きの豪邸。
そこで暮らす幸せそうな家族の物語です。
想像するだけで怖いです。
絶対、幸せに暮らせる環境ではありません。
公開したばかりなので、サクッと簡単にネタバレなして紹介していきます。関心領域が気になる方はチェックしてくださいね。
関心領域 作品情報
関心領域 G
公開日 : 2024年2月2日 イギリス
日本公開 : 2024年5月
戦争/ドラマ 1時間45分
監督 :ジョナサン・グレイザー
原作者 : マーティン・エイミス
キャスト:クリスティアン・フリーデル
サンドラ・ヒュラー
関心領域 簡単なあらすじ
アウシュヴィッツ強制収容所と壁ひとつ隔てた隣の屋敷で平和に暮らす家族を描くホロコースト映画。
青空の下、皆笑顔で楽しそうな一家。アウシュヴィッツ収容所所長を務めるルドルフ・ヘスとその妻ヘドゥィグと子供たちは穏やかな日々を過ごしていた。
だが窓から見える壁の向こうの建物は黒い煙を上げていた。
関心領域 簡単な感想
映像は、とても美しいのに不穏な空気が全体に漂うような映画でした。
どちらかというと観る映画ではなく聞く映画、情報を聞き取る映画だと思います。
不穏なサウンドは余韻として残るほどインパクトがありました。
どうか耳をすまして想像してください。
その音の意味を。
ただスクリーンの映像を眺めているだけだと退屈になります。
それはーー
一見すると楽しそうな家族の記録。
幸せそうな明るい日々を記録しただけの単調な映像だから。まるでホームビデオを見せられているような、そして監視カメラの映像のようでもありました。
でも、注意深く耳を傾けると、深く、突き刺さる映画です。
その高い壁の向こうから静かに上がる黒い煙。
誰も気にしていません。
もちろん、収容所からの悲鳴も銃声すら意識していない、そこで暮らす家族にとっては単なる雑音に過ぎないようです。
関心があるのは、自分たちの幸せだけで、ユダヤ人たちの命が奪われようと心が痛むことはない。
そんなことどうでもいいんですね。
そういう意味ではホラー映画よりも怖い映画だと思いました。
日々続く過酷な労働や実験の末の虐殺。
その後の処理。
遺体を燃やす焼却炉からの煙。
収容所のそれらを映すことは一切ありません。
あくまでそれらしい音や声の意味を想像する映画です。
笑い声や楽しそうな会話が大きく明確なのに対して、壁の向こうの音は不明瞭。雑音と捉えてしまうのか、聞こえないふりをしているのか。
でも、それこそが観ている側の私たちも
塀の向こうのことは見えないふり、考えないように努めている夫婦と同じ。そう。雑音に聞こえて特に気にならなくなってしまう。それが怖いです。
所詮他人事、災いからは逃れたい。知らないふり、気づかないふりをしよう。
それは私たち現代人の無関心さと、なんら変わりがないのかもしれません。
正義感が強く心優しい人もいますが、きっと誰でも自分が一番大事で、嫌なことや危険なことには関わりたくないと思うんです。
自分がその立場だったら同じことをしているのかもしれない、そう思うと怖くなりました。
誰の心にも悪魔は棲んでいるのかもしれません。
そう、あなたの心にも
関心領域 まとめ パンフレット
この映画『関心領域』には原作本があります。
一度観ただけでは理解できない部分もあるので、本も読んでみたくなりました。
ホロコーストをテーマにした映画は沢山ありますが、私が最近観て良かったと思う映画『サラの鍵』
ナチス占領下のフランスで起きたユダヤ人迫害事件と事件の真相を追う現代のジャーナリストの話。
おすすめの良作。
パンフレット
関心領域もパンフレットを購入しました。後でじっくり読もうと思っています。
デザインは闇に咲く花なのか、一見美しいのにぞくっとしますね。
この家の子供たちがかわいそう。
何不自由ない暮らし。
でも、こんな環境で育って幸せなはずはない。
常に聞こえる悲鳴すら聞き慣れれば何も感じないものなの?
大人になり真実を知ったら…。
関心領域は決して楽しい映画ではありませんが気になる方は観て損はないと思います。
できれば劇場鑑賞をおすすめします。
今回も最後までお付き合いありがとうございました。
次回の映画紹介もお楽しみに♪